三日月と狼
それからもケイとのSNSのやり取りは続き、
たまにケイからDVDを観るお誘いがある。
花澄はケイに逢うたびどんどん気持ちが傾いていくが、
その気がないケイとは何度会っても関係は進展するわけがない。
初めは恋というより現実逃避だったが
今はケイと話すだけで気持ちが昂る。
ヒロという男はほとんど居なかったが、
最近はなぜか家に居ることが多くて、
よくその顔を見かけるようになった。
こっちの男なら簡単に現実逃避出来そうだが、
花澄だって誰でもいいわけじゃない。
それでも今はヒゲも剃って
それなりに見られるカッコをしていた。
たまに一緒にDVDを観る時もあった。
「ヒロさんね、花澄さんのファンみたいです。
いつも帰った後に花澄さんの事、可愛いって言ってるんです。」
「お前、余計なこと言うなよ!」
花澄はそんな会話でヒロの事を警戒する様になった。
その日はケイが少し遅くなってヒロと花澄は少しの間、2人きりになった。
そこで花澄はヒロからまるで尋問みたいな質問を浴びせられた。
「花澄ちゃんの旦那さんはここに来てること知ってるの?」
「え?…知らないです。」
「そっか。
花澄ちゃんはケイとどうなの?
その…浮気とかしてたり…」
「え?まさか!ケイくんとはただ話したり、DVD観たり…それだけです。
だいたいケイくんみたいな若い子が私なんか相手にしませんよ。」
「そうなんだ。
俺はてっきり2人はそういうんだと思ってた。」
それは花澄の想いだけだ。
ケイの方は全くと言っていいほど花澄に女としての関心を抱かなかった。
「ケイくんは好きな人とかいるんじゃ無いかな?」
「いや…居ないと思うけど…
アイツの浮いた話とか聞いたこと無いから。」
「そうなんですか。」
そこへケイが帰ってきて2人は黙り込んだ。
ケイはその空気を読んでいたが
知らないふりをしていた。
たまにケイからDVDを観るお誘いがある。
花澄はケイに逢うたびどんどん気持ちが傾いていくが、
その気がないケイとは何度会っても関係は進展するわけがない。
初めは恋というより現実逃避だったが
今はケイと話すだけで気持ちが昂る。
ヒロという男はほとんど居なかったが、
最近はなぜか家に居ることが多くて、
よくその顔を見かけるようになった。
こっちの男なら簡単に現実逃避出来そうだが、
花澄だって誰でもいいわけじゃない。
それでも今はヒゲも剃って
それなりに見られるカッコをしていた。
たまに一緒にDVDを観る時もあった。
「ヒロさんね、花澄さんのファンみたいです。
いつも帰った後に花澄さんの事、可愛いって言ってるんです。」
「お前、余計なこと言うなよ!」
花澄はそんな会話でヒロの事を警戒する様になった。
その日はケイが少し遅くなってヒロと花澄は少しの間、2人きりになった。
そこで花澄はヒロからまるで尋問みたいな質問を浴びせられた。
「花澄ちゃんの旦那さんはここに来てること知ってるの?」
「え?…知らないです。」
「そっか。
花澄ちゃんはケイとどうなの?
その…浮気とかしてたり…」
「え?まさか!ケイくんとはただ話したり、DVD観たり…それだけです。
だいたいケイくんみたいな若い子が私なんか相手にしませんよ。」
「そうなんだ。
俺はてっきり2人はそういうんだと思ってた。」
それは花澄の想いだけだ。
ケイの方は全くと言っていいほど花澄に女としての関心を抱かなかった。
「ケイくんは好きな人とかいるんじゃ無いかな?」
「いや…居ないと思うけど…
アイツの浮いた話とか聞いたこと無いから。」
「そうなんですか。」
そこへケイが帰ってきて2人は黙り込んだ。
ケイはその空気を読んでいたが
知らないふりをしていた。