キンヨウビノヒミツ+彼女が忘れた金曜日+
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月曜日、出勤した俺は休憩室の入り口で思いっきり、井上に避けられた……様な気がする。
もしかして、なんか勘違いされている?
一瞬過ったそんな疑問が確信に変わったのは、倉庫に伝票を届けに来た井上が、それはもう一瞬で姿を消した時。
その後も女子トイレの前を通過した時には一瞬開きかけた扉が不自然に閉じる。午前中の納品を終えてコーヒーを飲もうと休憩室に行ったら、井上が居たのでやっと話せると思いきや、コーヒーを入れて振り返ったら音もなく消えていた。
なんなの、井上。忍者かなんかなの?
一日の外回りを終えて、倉庫に向かうと重たそうにエタノールの一斗缶を運ぶ背中が目に入った。どうやら背中に目はついていないらしい。
「重たいの俺がやるから小さい試薬やってよ」
やっと話せる。何とも言えない安堵を感じながら井上の手から一斗缶を奪う。
「あ、ありがとう」
気まずそうに礼だけ行って、井上は段ボールをあけて試薬の分類をはじめた。
「井上、俺のこと避けてる?」
月曜日、出勤した俺は休憩室の入り口で思いっきり、井上に避けられた……様な気がする。
もしかして、なんか勘違いされている?
一瞬過ったそんな疑問が確信に変わったのは、倉庫に伝票を届けに来た井上が、それはもう一瞬で姿を消した時。
その後も女子トイレの前を通過した時には一瞬開きかけた扉が不自然に閉じる。午前中の納品を終えてコーヒーを飲もうと休憩室に行ったら、井上が居たのでやっと話せると思いきや、コーヒーを入れて振り返ったら音もなく消えていた。
なんなの、井上。忍者かなんかなの?
一日の外回りを終えて、倉庫に向かうと重たそうにエタノールの一斗缶を運ぶ背中が目に入った。どうやら背中に目はついていないらしい。
「重たいの俺がやるから小さい試薬やってよ」
やっと話せる。何とも言えない安堵を感じながら井上の手から一斗缶を奪う。
「あ、ありがとう」
気まずそうに礼だけ行って、井上は段ボールをあけて試薬の分類をはじめた。
「井上、俺のこと避けてる?」