高身長彼女と低身長彼氏
〜放課後〜
勇太『 ごめんね!おまたせ〜。じゃ、帰ろっか!』
由奈『 うん..』
並んでふたりで歩くと、道路に2人の影が延びているのを見て思う。
由奈(..これじゃ、男女逆みたいじゃん...)
嫌だよ。せっかく好きな人と付き合えたのに。
こんなこと思って、会話も頭に入ってこなくて。嫌だ。
勇太くんだってこんなの嫌だよね。私たち、これからやっていけるのかなぁ?
勇太『..由奈? どうしたの?』
由奈『..えっ!なに?え、何でもないよ! 』
勇太『 だめ。何でもなくない。そんな顔してるの初めて見た』
由奈『 うぁ..見ないで..』
勇太『 嫌なことがあるなら言って? 好きな人のそんな顔は見たくないよ..』
由奈『 っ..』
好き。やっぱり、私はこの人とまだまだ一緒にいたい。
由奈『 勇太くんは..私が身長高くて嫌じゃないの..?こんなの、女の子らしくないし..』
勇太『 ...!』
由奈『一緒に並んで歩くのだって、私の方が背高くて..勇太くんは無理して一緒に歩いてくれてるの? そんなの勇太くんに悪..』
勇太『 由奈。』
由奈『 っ..え.. 怒って、る?』
勇太『 うん。怒ってる。凄く。こっち来て。』
由奈『 ..えっ?!なに..っ どこ行くの..』
手を引っ張られて、ずかずかと進んで行く。
ちょっと痛かった。
由奈『 ..?ここ、何?』
着いたのは、人気のないビルの外階段前。
勇太が私より1段高いところに上がる。
由奈(..?)
勇太『こっち向いて 』
由奈『...っ..!!! 』
見上げると、勇太の顔と、後ろにビル、空が見える。
それも束の間で、目の前に映るのは 勇太の顔だけになった。
柔らかい唇の感触といっそう強く握られる手の力で、これが初めての キスだってことに気づく。
ずっと憧れていた、見上げるようにする キス。
由奈『勇太..く、ん.. 』
勇太『 さっき手引っ張った時、振りほどけなかったでしょ?』
由奈『 え..あ、うん..』
勇太『 俺は、身長は小さいけど 力も手の大きさも由奈より強いし大きいよ。男だもん。由奈は、女の子だもん。
どんなに身長が高くたって それは変わんない。
...由奈は誰よりも可愛くて 守りたいって思える女の子だ。
少なくとも、俺にとっては絶対に。だからさっきみたいなこといったらまた怒る』
勇太のこんな真剣な顔は初めて見たし、多分私も初めて見せるような 情けない顔で涙を流してるんだろう。
ほんとに、情けないよね。
由奈『 勇太..くん.っ..私..ごめん..こんなに想って、くれてたのに..っ』
勇太『..由奈、俺身長低いし頼りないかもだけど由奈と一緒にいたい。
由奈のこと好きだから。...俺は、由奈の身長も含めて全部、好き。お前を好きになるのに身長差なんて気にしたことなかった。 』
由奈『 ..っ..私も、ずっと、一緒にいたい..っ、ありがとう..私も、ほんとに大好きっ...』
勇太『 もう泣かないで。ほら、また並んで一緒に帰ろう?今度は堂々として。いろんな話をしながらさ。』
由奈『 うん..!』
帰り道。伸びる影、ショーウィンドウに映る姿。
世界が一転したように、とても愛おしく思えた。
夕焼けの中の影は2人の身長差とは不釣り合いな、小さな私の手と彼の大きな手でしっかりと結ばれている。
私はもう、大丈夫。
この身長も、あなたのことも 勿論自分のことも 全部
心から大好きになれたから。
勇太『 ごめんね!おまたせ〜。じゃ、帰ろっか!』
由奈『 うん..』
並んでふたりで歩くと、道路に2人の影が延びているのを見て思う。
由奈(..これじゃ、男女逆みたいじゃん...)
嫌だよ。せっかく好きな人と付き合えたのに。
こんなこと思って、会話も頭に入ってこなくて。嫌だ。
勇太くんだってこんなの嫌だよね。私たち、これからやっていけるのかなぁ?
勇太『..由奈? どうしたの?』
由奈『..えっ!なに?え、何でもないよ! 』
勇太『 だめ。何でもなくない。そんな顔してるの初めて見た』
由奈『 うぁ..見ないで..』
勇太『 嫌なことがあるなら言って? 好きな人のそんな顔は見たくないよ..』
由奈『 っ..』
好き。やっぱり、私はこの人とまだまだ一緒にいたい。
由奈『 勇太くんは..私が身長高くて嫌じゃないの..?こんなの、女の子らしくないし..』
勇太『 ...!』
由奈『一緒に並んで歩くのだって、私の方が背高くて..勇太くんは無理して一緒に歩いてくれてるの? そんなの勇太くんに悪..』
勇太『 由奈。』
由奈『 っ..え.. 怒って、る?』
勇太『 うん。怒ってる。凄く。こっち来て。』
由奈『 ..えっ?!なに..っ どこ行くの..』
手を引っ張られて、ずかずかと進んで行く。
ちょっと痛かった。
由奈『 ..?ここ、何?』
着いたのは、人気のないビルの外階段前。
勇太が私より1段高いところに上がる。
由奈(..?)
勇太『こっち向いて 』
由奈『...っ..!!! 』
見上げると、勇太の顔と、後ろにビル、空が見える。
それも束の間で、目の前に映るのは 勇太の顔だけになった。
柔らかい唇の感触といっそう強く握られる手の力で、これが初めての キスだってことに気づく。
ずっと憧れていた、見上げるようにする キス。
由奈『勇太..く、ん.. 』
勇太『 さっき手引っ張った時、振りほどけなかったでしょ?』
由奈『 え..あ、うん..』
勇太『 俺は、身長は小さいけど 力も手の大きさも由奈より強いし大きいよ。男だもん。由奈は、女の子だもん。
どんなに身長が高くたって それは変わんない。
...由奈は誰よりも可愛くて 守りたいって思える女の子だ。
少なくとも、俺にとっては絶対に。だからさっきみたいなこといったらまた怒る』
勇太のこんな真剣な顔は初めて見たし、多分私も初めて見せるような 情けない顔で涙を流してるんだろう。
ほんとに、情けないよね。
由奈『 勇太..くん.っ..私..ごめん..こんなに想って、くれてたのに..っ』
勇太『..由奈、俺身長低いし頼りないかもだけど由奈と一緒にいたい。
由奈のこと好きだから。...俺は、由奈の身長も含めて全部、好き。お前を好きになるのに身長差なんて気にしたことなかった。 』
由奈『 ..っ..私も、ずっと、一緒にいたい..っ、ありがとう..私も、ほんとに大好きっ...』
勇太『 もう泣かないで。ほら、また並んで一緒に帰ろう?今度は堂々として。いろんな話をしながらさ。』
由奈『 うん..!』
帰り道。伸びる影、ショーウィンドウに映る姿。
世界が一転したように、とても愛おしく思えた。
夕焼けの中の影は2人の身長差とは不釣り合いな、小さな私の手と彼の大きな手でしっかりと結ばれている。
私はもう、大丈夫。
この身長も、あなたのことも 勿論自分のことも 全部
心から大好きになれたから。