追憶日和

―――変えられなかった。


私には―――何も変えられなかった。



美江は顔を上げる事が出来なかった。


正典・・・





「危ねーな!気をつけろ!」




・・・え?


美江はそっと顔を上げた。


丁度、車が走り去るところだった。


「イテテッ・・」


正典は道の端っこで頭を押さえていた。


「正典!!」


美江は駆け寄っていった。

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