恋する24時 2
自分の心臓の音がうるさい。
アタシは、何も言えず
静かにこちらを見ている可児先輩の目を
見つめるので精一杯だった。
「……ん~、現状から説明すればいっか?」
???
「由似ちゃん、オレの事好きでしょう?」
「はい?」
「お仕事の先輩として、……迷惑かけたくないな、と思うくらい、あと、……罪悪感感じたりするくらいには、オレの事好きでしょう?」
「……」
何かのワナのような言い回しに
つい身構えてしまいながら
アタシはゆっくりと頷く。
一応、間違ってはいない。
「現状の由似ちゃんは、オレ以外の男の人に触れられなくて、フラッシュバックはいつまで続くかも不明」
「……はい」
「一応、オレとシェアして同じマンションに住んで、フォローはしていくけど、ずっとこのままではいられないよね?」
アタシは、無言で頷いた。
「……」
そうだ、先輩がずっと
一緒にいてくれる保証はないんだ。