恋する24時 2

 自分の心臓の音が

 更にうるさくなった。




「オレに彼女が出来たり結婚したら、同じように寝てあげるのは、流石にしてあげられないから、……困るのが由似ちゃんじゃないか? って思って……」



「……」




 震えそうになる腕を

 ギュッとアタシはつかんで押し込める。



 それゆえの、提案?



 でもそこに、可児先輩の気持ちも

 メリットも全然ないじゃないですか。



 アタシの事ばかり考えてくれる

 先輩は今、やりたい事とか

 大事にしたい物はないのだろうか?




「か、可児先輩の気持ちも、メリットもない提案で、罪悪感が消えるとは思えないンですが?」




 本当は

 アタシにかまわないで済むように

 してあげたい。



 けれど、今のアタシではまだ

 無理だから……。



 せめて、先輩の邪魔をしないように

 やりたい事を後押し出来る

 何かがあれば……。




「オレはちゃんと言ってるけど?」



「……?」



「後は、由似ちゃんが決めていいよ?」



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