恋する24時 2

「……」




 ア、アタシが決める事なんだろうか?



 静かにアタシを見つめる

 先輩の視線に堪えかねて

 ギュッと目を閉じて下を向く。



 身体中が

 自分の心臓で出来ているみたいに

 鼓動を強く感じる。



 何でかわからないのに

 顔は、どんどん熱くなって……。



 頭がくらくらしてくる。




 沈黙が、とても長く感じた…――




 決めるって、なにを?




「……」



「……由似ちゃん」



「はい?」




 耐えられない長い沈黙――




 先輩の呼びかけに

 すがるように

 顔を上げて返事をしてしまった。




「……由似ちゃんって、オレの事、ちゃんと男の人として意識してるよね?」



 ふぇ?



 そう言った可児先輩と目が合って

 アタシの顔は

 みるみる熱くなっていく。



 な、な、なんでぇ?



 そこは先輩

 知らない振りとか

 しておいてくださいよぉぉぉ?



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