恋する24時 2
「……」
自分の鼓動の音が
嫌なくらいに高鳴った。
やさしい雰囲気は消えて
無表情な先輩が
アタシを真っ直ぐに見つめる。
緩く巻きついた幾つもの蔦が
ゆっくりとアタシの身体を
締め付けてゆく感覚にとらわれた。
怖い……。
先輩、これ以上は……
震えそうになる腕を
アタシは
ギュッと、また握って押し込める。
「オレのこと、ちゃんと男の人として、……好きでしょう?」
「……っ!?」
目が、そらせないまま
アタシは
震えながら先輩を見据える。
たすけて?
もう、無理だよ……。
アタシは、ギュッと目を閉じて
先輩の視線から逃れるように下を向いた。
頷きたくない
言いたくない
何人見てきたと思っているの?
あんな未来が待っている
あなたの彼女なんかに
なりたいわけないでしょう?