恋する24時 2
◇ アタシの恋愛スキル現在値
久々の内勤営業の日――
二課の主任、前野さんに頼まれた
昔の資料のデーターを
資材資料室に取りに行くと
えっ?
急にドアが開いて
何故か壁とぶつかった。
「えぇっ!? ゆ、由似? 悪い、ぶつかっちゃって……」
よく知った声の主を見上げると
何故か、両手バンザイした生方が
少し赤い顔で、アタシを見下ろしていた。
「珍しいね、生方が会社にいるの」
最近は、一課の主任につれ回されて
安否も遥花から聞くくらいの
レアキャラ化していたはず。
しかも、こんな所で
壁並みに立っているとは……。
「イヤもう、10分で出るよ、またな!」
そう言って、腕時計を確認して
あわてて手を振って去って行く。
「うん、頑張って……」
軽く手を振りかえし
アタシは、資材資料室に入る。
ん? 電気ついてる。
誰か、いるのかな?