恋する24時 2
「あの……、もう少し、猫手にしないと、指切りますよ?」
一応、班の役割分担を終えて
近くの女の子に声をかけ
野菜と格闘している男の人に声をかけた。
きょとんと、顔を上げたその人は
ヘアスタイルが休日仕様なのか
ふわふわサラサラで
いつものセットと違うから
気付くことが出来なかったけれど……。
か、加藤企画部部長、だよね?
や、ヤバい
何が悲しくて休日に
会社の人に会わなくてはいけないの?
「……」
困ったな……。
きょとんとわたしを見ていた加藤部長は
特に気付いていないようなリアクション
よかった、幸い向こうは
わたしの事知らないみたいだから
軽く注意を促したら
元の班に戻って
楽しくみんなとご飯を食べよう。
と、思った矢先……。
「ありがとう、教えてくれるの?」
今まで、見せた事のない
人懐っこい笑顔でわたしを見るから
不覚にもドキッとしてしまった。