恋する24時 2
「加藤さん、わたしも持ちます」
「いいよ、これから月森さんは着せ替えで大変だから」
手を差し延べると
スイッと、かわされて
加藤部長は試着室の方へ歩き出す。
「……着せ替え?」
「まずは見た目、君のフェロモンを、なるべく抑えるための洋服、探すんでしょ?」
「あっ、……はい!」
試着室の前で待っていると
「お待たせ、……ん~、コレとコレと~……」
佐竹さんが二つほど持ってきたパンツを
ポールにかけて
洋服を吟味し始める。
ピックアップした服を
わたしと見比べて
別のものに次々と交換していく。
「月森さん、コレで取り合えず着替えてみてくれる? 着たら色々説明するから」
「はい、ありがとうございます」
渡された服とフェイスカバーを持って
試着室のドアを閉める。
渡された服は、色こそ私好みの
ベーシックな感じだけれど
デザインが個性的なものが多かった。