恋する24時 2

「へいへい……」




 佐竹さんは、苦笑しつつ

 最初に着せてくれた服を包み始めた。




「加藤さん、……あのっ」




 彼が、どう言うつもりでこの服を買うのか

 わからなくて

 何も言えなかった。




「取り合えず、今度会う時コレ着てください、……俺はプレゼントするつもりだったけど、彼でもない奴にもらっても困るだろうから、払いたくなったらくれればいいですよ?」




 よかった、色々考えてくれたのに

 プレゼントまでされるなんて

 申し訳なかったから……。




「……お給料出たら、必ずお渡しします、少しの間立て替えて頂いてすみません」



「……今日は、こんな感じで良かったかな?」



「はい、とても参考になりました」



 ふぇろもんの効果とかは

 全然わからない、けれど

 一歩進めたような気がして嬉しかった。




「じゃあ、軽く食事して、シチューの買い物に行きましょうか?」



「はい」




 佐竹さんから服の入った手提げをもらい

 渡してくれながら

 加藤部長は無邪気に笑った。


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