恋する24時 2
「お昼から戻ったばかりで悪いんだけど、企画部の印南主任に、こちらの書類を手渡して欲しい」
「分かりました」
差し出された書類を受け取って
わたしは返事した。
白崎主任は、経理のおじ様たちの中では
まだ若い方だけど
淡々とした物言いと、時計のような正確さ
『冷蔵庫』と言うあだ名がついてしまうほど
無機的な機械みたいな人だ。
だから恋愛対象外なのか?
おじ様カテゴリーに
すんなりと入ってしまっている。
そう言えば、白崎主任と加藤部長は
同期だったんじゃないかしら?
わたしは書類片手に
経理フロアを出て企画部へ向かう。
お使いで企画部へ行くのは初めてだ
いつも忙しくて人がいないと言われている。
近道の営業部接客ブースを通って
企画部へ行こう。
いつもは通らない社屋の廊下を歩いて
エレベーターに乗る。
ポーン、と
開いたエレベーターのドアから
一人の他社の営業さんと目が合った。