恋する24時 2

 わたしは、止まらない涙と震えるカラダを

 ギュウッと自分で抱きしめながら

 加藤部長の進む方へ一緒に歩いた。



 誰もいない4Fフロアを

 加藤部長に肩を抱かれたまま

 猛スピードで歩く。



 リーチの差が激しくて

 転びそうになり、見かねた彼に

 ひょいっと、抱き上げられた。




「……!? ……か、加藤、部長?」




 あんまりにも驚いて

 つい役職名で呼んでしまう。



 ここは、会社ですよ?

 誰かに見られたらどうするんですか?




「大丈夫、企画部には誰もいない」




 そのまま、雑然とした企画部のフロアに入り

 一番奥にあるドアまで行き

 わたしを下ろしたかと思うと一緒に部屋に入り

 バタンと、後ろ手にドアを閉め

 ギュウッと、わたしを抱きしめた。



 彼のスーツから香る

 休日とは違う香水の匂いに

 くらくらした。




「……何があった? さっきの、他社の営業だよな?」



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