恋する24時 2
「えっ?」
「普通に降りたはずの彼が、急にエレベーターに戻って来て、……わたしに、視線だけで誘われたと、……使われていない部屋に連れ込まれる所、でした」
「―――…っ、えっ?」
わたしの二の腕を
つかんでいる加藤部長腕から
彼が固まっているのがわかった。
「か、会社で、……こんな風になるの、初めてで、どうすればいいのか! 加藤部長が、偶然居合わせなかったら……、わたし」
お酒も飲んでいない
仕事中に襲われるだなんて
考えただけでも恐ろしい……。
さっきの事を思い出して、つい
感情が高ぶってしまい涙があふれて
また止まらなくなった。
「……本当に、加藤部長の言う通りで、……もう、わたし、こんなんで大丈夫かな?」
「……っ」
直後…―――
彼の腕に力が入って、強く胸の中に抱きしめられた。