恋する24時 2
目の前に、ニコニコとは違う
へらっとした、ユルい笑顔で
アタシを見つめる可児譲先輩が
今日もいる。
「……コレ、今日もやるンですか?」
居酒屋のテーブルの端に
10枚ずつ並べられた100円玉2山
今日のバイト代は2000円らしい。
「うん、今日の報酬ね、由似ちゃんお願いします」
アタシは、仕方なくため息を付くと
レモンサワーを一口飲んで
可児先輩の瞳をじっと見つめて
「可児先輩、好きです」
と、言うと
「ん~、なんか棒読み過ぎ~、もっと感情のあるヤツがい~」
テーブルの100円
こっちにスライドさせて
つまらなそうな顔で、のたまう。
めんどくさいな……
「……好き、ですよ? 可児先輩」
仕方なく、首を傾げて
上目遣いに言ってみる。