恋する24時 2

「いっ、たぁ……」




 膝擦り剝けた、多分血だらけ

 でも、そんな事気にしていられない

 速く立って逃げなければ……。



 思いの外、ぶつけた膝が痛くて

 上手く立ち上がれない。




「い、痛い……、速く逃げなきゃ……」




 やっと立ち上がって

 走ろうとしたら、膝に激痛が走った。



 でも、逃げなくちゃ

 殺されちゃう。



 何とか、ビッコを引きながら

 とりあえず逃げる。



 そんな状態じゃ

 直ぐに追いつかれるのがわかっていても

 まだ、死にたくない。



 何もしていない。



 直ぐ近くで、砂利を踏みつける音がした。



 背筋が強張っても

 アタシは、少しでも逃げるために

 足を進める。



 公園の出口は見えるのに

 まだ、100メートルは距離があった。




「お姉さん、……いってぇよ?」



「……」




 アタシは、振り返らずに歩く。



< 37 / 186 >

この作品をシェア

pagetop