恋する24時 2

「……それじゃぁ、ムリじゃねぇ?」




 嘲るような笑い声と一緒に

 後ろから思い切り突き飛ばされた。




「うぐっ……」




 痛い……、急いでついた手の平も

 擦りむけて血が出てる。



 早く、立たなきゃ

 逃げなきゃ……。




「だからぁ、……どっちにする?」



「いっ! ……っ」




 笑いながら、アタシを横から蹴って

 仰向かせると

 男は、そのまま馬乗りに乗っかって来た。



 口だけが笑っているのに

 笑っていない目が、見えて……。




「……!?」




 身体中に、嫌な電気が走って

 動けなくなりそうだった。



 コワい、ムリ……。

 でも




「……」




 イヤ、だ

 まだ諦めたくない。



 助けて……



 脳裏に、可児先輩の言葉が

 浮かぶ




「たす、けて……」




 叫んでみたけど

 全然声が、出ていなかった。




「助けてっ……!」




 もっと、大きな声で



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