恋する24時 2

「た、助けてぇぇぇ~っ!! 可児先輩ぃぃ!!」




 叫べた、と思った瞬間。



 バシッ、と音がして

 右の頬が痛くなり

 同時に右耳がキーンと鳴った。




「うるせぇよ」



「……っ」



「……気ぃ変わった、先にヤる」




 ナイフをアタシの頬に

 ペチペチと当てたかと思うと

 もう片方の手でブラウスを引っ張り

 ナイフを突き立てて

 ビリーッ、と引き裂いた。




「……っ!?」




 あまりの事に

 もう、悲鳴さえ上げられない。



 コワい

 ヤダ、嫌だ……



 止めて




「や、めて……」




 必死に、男のナイフを持つ手を

 両手で捕まえて

 何とか刺されないようにした。



 けれど……




「……邪魔っ!!」




 痛っ!



 ナイフを持っていない手で

 頬を殴られた。



 右の頬に物凄い痛みか走って

 口の中が血の味でいっぱいになった。



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