恋する24時 2

 グエッ、と潰れた蛙のような声で

 さっきまでアタシの上にいた男が叫び

 直ぐ横に倒れ込む。



 その上から、容赦なく

 何度も何度も

 その男を蹴り、踏みつける

 男の人が、見えた。




「……」




 動けなくなるまで踏みつけて

 後ろ手に、その男を縛ってから



 その男の人は

 アタシに駆け寄って来た。




「由似ちゃん、……生きてる?」




 急いで来たからか

 汗だくで、肩で大きく息をしていた。




「……っ」




 心配そうにアタシを覗き込む

 可児先輩の顔に、ホッとして……。



 あぁ、アタシ

 助かったんだ? と感じた。




「……ボロボロだけど、何とか、……生きてます」




 笑おうとしたけれど

 殴られた所が腫れたみたいで

 引き(ひきつ)ってしまい

 上手く笑えなかった。




「起きられる?」



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