恋する24時 2
先輩に抱き起こされて
自分の全身が
まだ震えている事に気付く。
「……」
手も膝も擦り剝けたから
あちこち血だらけだ。
破れたブラウスを隠そうと
上に着ていたジャケットのボタンを
閉めようとして
手が震えてるのと血だらけなのとで
上手く 閉まらなくて
見かねた可児先輩が脱いだ
ジャケットにくるまれ
震える身体ごと
強く抱き締められた。
「無事で、よかった……」
先輩の汗の匂いと良くつける香水の
爽やかな香りがする。
「……」
遠くでパトカーのサイレンが
たくさん聞こえてきた。
警察の人達のざわめきと
警笛が聞こえる。
「……」
本当にアタシ、助かったんだ?
暖かい胸の中で
ホッ、とした瞬間。
アタシの意識は
そのままブラックアウトした。