恋する24時 2
「……」
夜中に、何度も襲ってくる
あの日のフラッシュバックが
原因で眠れなくて……。
先輩には申し訳ないけれど
夜中、一緒にいてもらっていた。
もちろん、これは
可児先輩の提案なのだけれど
最初、ここに泊まると言われた時は
どうしようかと
途方に暮れてしまった。
アタシの状況的に
それどころではなく
本気で1人では眠れなかったので
助かっている。
「……」
襲われた後の
精神的なケアまで考えてくれるなんて
正直、先輩の凄さを思い知られた。
ウトウトと、眠気に支配されつつ
アタシは、先輩のパジャマを
ギュッとつかんで……
「……可児先輩、ありが、とぅ、……ござぃま、す…――」
背中に回った先輩の腕が
少しだけ
力がこもったのを感じて
アタシは、眠りに落ちていった。