恋する24時 2
「買い物の袋、受け取れないくらいだったかな? あと50cmの所で止まってた」
「お、お話は、普通に出来てますよね?」
自分では自覚できていないけれど
いつも通り話せていると思いたい。
本当は少しだけ
緊張してしまっている、けれど……。
「うん、怪我してるから普通っぽくは見えないけど、会話は出来てるよな?」
悠人先輩のやさしい笑顔に
ホッとして、アタシは息を付いた。
よかった。
「はい」
「そっか……、じゃあ明日はリハビリ兼ねて、ショッピング モールでも行ってみようか?」
「……はい」
昼間だし、1人で大丈夫だよね?
「オレも行って、由似ちゃんが色々平気か見てみるから……」
えっ?
「……可児先輩、お仕事はいいンですか?」
アタシはともかく
先輩が、1週間以上も
出張に行かないなんて……。
いくら二課でも、ないよね?
「あれ? 言わなかったっけ? 前野主任にお願いして、オレも由似ちゃんの復帰までは、内勤業務と仕掛けだけにしてるんだよ」
「……」
にこにこと、意味ありそうに笑う
可児先輩が、ちょっと怖くて
それ以上聞くのを諦めた。