恋する24時 2

「……」




 メチヤクチャ近くて恥ずかしい。

 暗くなきゃ絶対無理。



 こんなんで眠れるの? アタシ。




「……由似ちゃんって確か、弟いたよね?」



「はい、4コ下の可愛くないのがいますけど?」




 なんだろう? いきなり。



 また先輩のテンポに

 身構える。




「今抱きついたら、こんな感じ?」



「……まぁ、大きくなってるんでそうかも知れませんけど、今の弟に抱きつくなんてあり得ないです」



「あはは……、じゃあ、小さい頃は~?」




 言われて、ふと昔の記憶が蘇る。



 アタシが多分10歳で、春希が6歳の冬

 あの頃は小っちゃくて

 可愛かったんだよな……。




「ふふ……、小さい頃ストーブが壊れて、家族で引っ付いて寝たことがありました」



「こんな感じ?」



「もっとギュウギュウしてました、引っ付いてないと、凍えちゃうくらい寒くって……」




 みんなの寝息と心臓の音

 ほっぺたは寒いのに

 ひっついた所は暖かくて……。


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