恋する24時 2
「……由似ちゃん、寝るよ?」
可児先輩が、出張催事から帰って来て
おかえりなさいと出迎えた
2秒後――
不機嫌な顔になった先輩に言われた。
「……えっと、先輩食事は? お風呂も入らないンですか?」
「由似ちゃん、全然眠れてないでしょう? 何で電話で言わないかな?」
少しでも、先輩の精神的負担を
軽くしようなぁ、と思ったからです。
とは、とても言えない雰囲気だから
黙ってうつ向いた。
「とりあえずシャワーでいい、ご飯並べておいて? オレが食べてる間に、由似ちゃんは、お風呂でもシャワーでも入っちゃって? 最速で寝るよ?」
もはや逆らえる訳もなく……。
ただ、やっと安心して眠れることに
正直、ホッとする。
「……はい」
その後に襲ってくる強烈な罪悪感は
今は考えないようにしよう。