恋する24時 2

「……っ!」




 見ず知らずの男の人からの

 殺意を含んだ悪意が

 こんなにも自分の心に深い傷を付ける。



 当たり前だった日常を

 いとも簡単に奪っていく。



 ……返してよ?



 カエシテヨ

 かえしてよっ!



 何でアタシが、みんなに

 可児先輩に迷惑かけて

 こんな罪悪感を抱えて

 生きなきゃいけないの?



 理不尽で腹が立つのに

 誰にもこの怒りをぶつけられない。



 眠れなくて辛い

 今まで通り出来ない自分がもどかしい。




「……っ」




 優しい人たちに

 迷惑をかけているのが苦しい。



 何より、先輩の時間を奪っている

 罪悪感が半端ない。



 もう、気がおかしくなりそうだ。




「由似ちゃん、どおした?」




 震えるアタシの身体ごと

 強く抱きしめてくれながら

 焦った、先輩の声がする。



 苦しくて、……涙が止まらない。



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