恋する24時 2

「昔いっぱい失敗した賜物です」



「そうなの?」




 今日は、朝からゆるゆるな先輩だな

 最近真面目モードな先輩が多かったから

 少しホッとする。




「先輩が焼いておいてくれたので、すぐに食べられたんですよ? ありがとうございます」



「えへへ、オレでも作れてよかったぁ」




 昨日の今日だと緊張して

 上手く話せなかっただろうし。



 て言うか、先輩がご飯作るなんて

 どうしちゃったんだろう?




「……」




 パンケーキを頬張って

 ふと、時計を確認すると

 10時を回っていた。



 えっ?

 起きてからそんなに経ってないよね?

 アタシ、そんなに寝てたの?



 疲れて帰ってきて

 抱きついて泣き叫ばれて



 朝ごはんなし



 これは、本当に申し訳ない時間だった。




「……可児先輩、すみませんでした」




 昨日といい、朝ごはんといい……。



 謝った途端、先輩の人差し指が

 鼻をつぶすような勢いで

 アタシの口を塞いできた。



 へ?




「由似ちゃん、オレに謝るのしばらく禁止ね!」



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