恋する24時 2
◇ 絶対必勝恋愛ゲーム
「――…ありがとうございました」
この催事、最後の商談が終わって
お客様を見送るためブースの端まで行き
頭を深々と下げる。
うちは基本女性のお客様が多いので
何とかぎこちなくとも
商談はいつも通り出来たと思う。
最後のこのお客様だけ夫婦だったので
固まらないように
気を付けて商談した。
大丈夫だったろうか?
可児先輩の方を確認するのが怖い。
ダメだったら内勤だもんな……。
「……」
「2日間お疲れ様、ぎこちなかったけど慣れれば大丈夫になりそうだね?」
斜め後ろから、可児先輩の声がして
振り返ると
穏やかにほほ笑む顔があった。
「……本当ですか?」
「うん、うちのお客様自体は女性が多くてよかったね、後は担当さんが男性の時の対策を考えないとね……」
「はい、ありがとうございます」
よかった、なんとか営業続けられる。