恋する24時 2

◇ 絶対必勝恋愛ゲーム




「――…ありがとうございました」




 この催事、最後の商談が終わって

 お客様を見送るためブースの端まで行き

 頭を深々と下げる。



 うちは基本女性のお客様が多いので

 何とかぎこちなくとも

 商談はいつも通り出来たと思う。



 最後のこのお客様だけ夫婦だったので

 固まらないように

 気を付けて商談した。



 大丈夫だったろうか?

 可児先輩の方を確認するのが怖い。



 ダメだったら内勤だもんな……。




「……」



「2日間お疲れ様、ぎこちなかったけど慣れれば大丈夫になりそうだね?」




 斜め後ろから、可児先輩の声がして

 振り返ると

 穏やかにほほ笑む顔があった。




「……本当ですか?」



「うん、うちのお客様自体は女性が多くてよかったね、後は担当さんが男性の時の対策を考えないとね……」



「はい、ありがとうございます」




 よかった、なんとか営業続けられる。



< 94 / 186 >

この作品をシェア

pagetop