色付く世界の真ん中で


返り血は
赤いシャツが誤魔化していた
さっきまで
私を汚した手で
女の子の頭を、頬を
撫でていた

私は、その光景を酷く嫌悪した
しかしそんな私の思いと裏腹に
女の子は衝撃的な言葉を発した

「今日も楽しかった?
今度はどんな子だったの?」

今日も?
今度は?


は?


純粋な瞳で
『パパ』に話しかける女の子

その瞬間
私の意識は途切れた

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