色付く世界の真ん中で
彼女は、彼と中睦まじそうに
ご飯を食べ、テレビを見ていた
時折見える笑顔に
人違いでないことを痛感させた
彼女は私を感じ取ったのか
腕をさすり
部屋を見回した
彼は、きづいていないようで
テレビに夢中になっていた
彼は、彼女にお風呂を勧めた
そして、彼女がお風呂に入っている間
彼は食器を洗って
ベッドを整えていた
彼女がお風呂から出ると
彼がお風呂に入った
彼女は髪の毛を乾かして
化粧水をすると
おもむろに携帯を取り出して
メールを打っていた
興味本位でのぞくと
男だった
それも、何人も
怪しげな会話だけでなく
確信を持てるような会話まで
繰り広げていた
悪寒が走った