色付く世界の真ん中で


彼は彼女と別れて
普通に学校に行くようになった

彼は時折私に話しかけてくれる
私もたまに
彼に話しかけた

彼は私がものを浮かせたりすると
驚き、そして怯えるような顔をみせた
だから
私はもう彼の前で力を使うのをやめた

彼と私は毎晩
隣合って空を見上げた

今まで
なかなか相手にされない日々だったから
とてもキラキラして
充実していた

彼は私によく話しかけるようになった
大学のこと、友達のこと

私は私の知らない世界を知れて
とても嬉しかった


でも、やっぱり長くは
続かなかった


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