色付く世界の真ん中で


母はあまり喋らなくなった
父は努めて笑っていた

私はさとった
母の死期を

二人は私がいなくなってから
不幸になった
でも、私はあの夜
私が死んだ夜

諦めて、死んで行った

でも二人は
足掻いて、足掻いて
幸せになろうとしていた


私は、奇跡を起こした


小さな賭けであった
でも、私はそれだけしか
しなかった


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