色付く世界の真ん中で

娘を殺し
今は愛する妻が
死にかけている

天罰なのだろう
娘を殺してしまった

妻は何度も何度も
ごめんね
ありがとう
を繰り返していた

俺は
俺には
何一つ残らないのだろうか

もし妻が死んだら
俺も死のう

もう、妻はなかなかベッドから
起きられなくなっていた
死んだように
眠っていた

俺は何度も脈を確認して
いつ起きるのかと
ずっとまちわびていた

今日ももし起きた時
喉が乾かないように
枕元に飲み物を置いて
トイレをしようとした

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