前略、さよなら
警察署に行けば必ず会えるはずだ。
「そうね。
行きましょう」
僕は荷物を千代の家に置いたまま
急いで車に乗った。
「にしても奇妙だよね」
「うん」
「どうする?
陽のドッペルゲンガーだったら」
千代は不安な面持ちで僕を見た。
「そんなわけないじゃん」
「陽はそういうの信じないの?」
そう言う千代は寂しそうだった。
「いや、まあ、信じるけどさ!
僕の場合はドッペルゲンガーじゃない」
「そっか、そっかあ」
次は嬉しそうな顔をした。
「ねえねえ
着くまでしりとりしよう!」
千代がそう言うとしりとりが始まった。
そのおかげで
以外にも空気は重くならず
むしろ明るかった。