前略、さよなら
ゆっくり、ゆっくりと扉を引く。
__________・・・・・・
「ウソっ!」
「えっ」
扉を開けるとそこは
とても簡素な空間だった。
そして1人の男がいた。
その男はパイプ椅子に座っていて
僕達を見ると
困ったように俯いた。
「ふざけんなよ」
僕は男に近寄って胸ぐらを掴んだ。
「どういうこと?
何が起きてるの?!
なんで陽が2人いるの?!!」
千代が僕と
そして
もう1人の僕の間に割って入った。
僕は千代を無視する。
「なんであんなラクガキをしたんだよ!
昨日のやつはなんだよ!
千代を傷つけないために
ラクガキしてたんだろ!!!!
なんで・・・なんで・・・!
お前が千代を傷つけてるじゃねーかよ!
全然わかってねーよ!!!」
僕は感情的になって叫んだ。