前略、さよなら


次の日の終了式でも
僕は気まずくて
千代とは会話しなかった。


もしかしたら
なんの用もないのに
別々に学校から帰ったのは

その日が初めてだったかもしれない。


夏休みに入ると

千代を見かけることもなくなった。



どこかで千代から謝りに来てくれるのを
待っていたけれど

自分からそうするつもりはなかった。



2学期が始まっても
僕と千代は喧嘩したままだった。


ある日
千代が梨花達と楽しく一緒に
遊んでいるのを見かけて

もう僕とは仲良くする気はないのだと
勝手に決めつけた。


今思えば

千代も
拓海達と遊ぶようになった僕を見て
そう思っていたのかもしれない。


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