前略、さよなら


「ううん。

千代を守ってあげて」

「うん・・・うん。絶対」


千代のお母さんが
声を震わせながら頷いた。


これじゃあまるで
僕の方が大人みたいだ。


千代が鼻をすすった。

「お母さん。

ごめ・・・・・・ん、なさい」

「いいの。謝ることないわ。

千代はなにも悪くないのよ」


そう、優しい声で耳元でささやいた。

そして千代の背中をぽんっと
僕の方へ押した。


「陽くん・・・・・・

本当にありがとう。

陽くん2人のおかげで

一生心に残る
最高の夏休みを過ごせたよ。


手紙、書くね!」


僕と1年前の僕は
「うん!」
と息ぴったりな返事をした。


僕達は小指を突き出して

歌った。




✲*゚



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