前略、さよなら
「わー!」
僕も千代の真似をして
叫びながら駆け出した。
そのまま千代を追い抜かして
からかうように
石段を上ったり、下りたりしながら走った。
大きな海は僕らの横にあって
いくら進んでも海面が途切れることはない。
「明日の部活鬼ごっこかもー!」
「かくれんぼかもー!」
「ゲームセンターかもー!」
「えー!」
千代が走りながら笑う。
「明日の部活は10キロマラソンだー!」
さらに恐ろしいように体を震わせて
ふざけて見る。