前略、さよなら
これは小学校の頃の話。
僕と千代は学校から遠い地区に
住んでいて
互いに友達がなかなかできなかった。
そんな僕らを心配した親達から
2人で登校するように指示されて
僕は嫌々千代と学校まで通った。
「《野いちご》のアニメ見てる?」
「う、ううん。
その日は習い事があるから」
「じゃあゲームは?
なんのカセット持ってる?」
「えっと、持ってない」
「じゃあ、何が好きなの」
「えっと、なんだろ・・・
あのピアノ引くテレビ」
「なにそれ?」
「な、名前は分からない。
ごめん・・・」