前略、さよなら
最初の方はちぐはぐな会話が続いた。
そんなオドオドした
口下手な千代にイライラだってしていた。
千代がびしょ濡れになる
小学校3年生までは。
びしょ濡れにしたのは
他でもない僕だ。
ある日僕が学校への近道をしようと
川の石の上を渡って行こうとした。
普通の登下校に飽きてきたから
そんなことをしたんだと思う。
「あ、危ないよ」
「大丈夫だよ。水少ないし」
「でも・・・」
「いいから来なよ。置いてくよ」
「ご、ごめん・・・!」