前略、さよなら
「したよ、時旅」
ばあちゃんは嘘を教えるような雰囲気でなく
大真面目にこのことを話す。
「おばあがまだ若かった頃にな」
何度も聞いた話だが
ばあちゃんは最初から話始めた。
「親父がスイカをどっかからもらってきてよ。
おばあも1切れもらったんだが
もったいなくて食べられなかったんだわ。
そしたら腐っちまってよ」
「どうしても食べたくて
時旅神社の神様にお願いしたら
2日前に戻ったんでしょ?」
ばあちゃんはゆっくり頷いた。