前略、さよなら
僕達は曲がり角へと出て
直接その方向を確認する。
5人程の大人達が
コンクリートの駐車場の前で話し込んでいた。
「警察官もいるね。
千代のお父さんじゃないけど」
制服を着ているおじさんは太っている。
千代のお父さんはもっとスリムだ。
大人のうちの1人が駐車場から出てきた。
駐車場の地面に大きく描かれた
男か女かもわからない人が
血を出しているイラストが
とげとげしく光を反射して
僕らの目の中まで突き刺さった。