前略、さよなら


千代は何も言わず
ただ僕の言葉を待った。


「それはね、最高の夏休みを過ごすこと」


千代は目を閉じると同時に頷いた。
最高の夏休みを想像しているみたいだった。


「多分それを達成させるには
千代が必要なんだ」


我ながら気持ち悪いことを言っている。


でも、そんなことを言えるほどに
僕は最高の夏休みを過ごすことに対して
ものすごく真剣だった。

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