前略、さよなら


なんで喧嘩なんかするんだ。
大人なんだからすぐに謝ればいいじゃないか。

なんて思ったけれど
直接注意出来るはずもない。


だからこそ
せめて僕と過ごす中学1年生の夏休みは
最高のものにさせてあげたかった。


「最高の夏休みの計画を立てようよ」

空気を変えるように明るく元気に振る舞う。


「楽しそう」

と千代が笑うと

僕達は近くの大きな石に腰をかけた。
僕らの特等席だ。

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