僕は彼女の名前をまだ知らない
彼女が帰って、ふとテーブルを見る。

お皿や桜でぐちゃぐちゃだったはずのテーブルは、綺麗に片付けられている。


桜は、全てを輪ゴムで束ねてテーブルの端に置いている。

お皿は、綺麗に洗って流しの横に置いている。

全部、僕が寝ている間にしたことだろう。



そんな彼女の、気の利くところや、花が咲いたような笑顔を見るたび僕は思う。
ああ、彼女が好きだなって。
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