僕は彼女の名前をまだ知らない
「じゃあ、会おっか。」


「えっ!?」


「うんうん。お姉ちゃんもきっと喜ぶ。」



お母さんは勝手に話を進める。










結局、明日の昼前に本当のお母さんの家に行き、三人で昼ごはんを食べることになった。

今も、お母さんは、お姉ちゃんである僕の本当のお母さんと会うそうだ。


本当は、お母さんと、本当のお母さんという、紛らわしい呼び方はやめたい。

だけど、思いつかないし、何より会ってから決めよう。
そう思った。




その日は、緊張して、なかなか眠れなかった。



彼女のことは忘れていた。

わざと、記憶の奥底に、しまったのだけど。
< 203 / 216 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop