僕は彼女の名前をまだ知らない
はぁ。と、わざとらしくため息をついたお母さんは、ストンとトーストをお皿に置いた。

焦げたパン粉がハラハラとお皿から落ちる。




「お姉ちゃんの顔は、お母さんの顔を美人にした感じ。
性格はおっとりしてるけど芯はしっかりしてる。
髪は肩よりちょっと下。
声はいい感じ」

「これで満足?」

お母さんはゴクリとコーヒーを飲んだ。
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