僕は彼女の名前をまだ知らない
「最後にひとつだけ……」

「まだあるの?」


いい加減やめないと、怒られるな。
そう思ったけど、気にせず続けた。







「本当のお母さんって、二重?」




盛大なため息が、お母さんの口から飛んでくる。



「奥二重っ!」






キッチンから、ガシャンとお皿を置いた音が聞こえた。
< 207 / 216 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop