僕は彼女の名前をまだ知らない
ピンポーン

「はーい」とくぐもった、インターホンから聞こえる声は、暖かくて……
なんだか懐かしい気持ちになった。





今、ドアが開く。

ドアの向こうにいるお母さん。



僕は、厚い雲の下、雨に濡れてドアを見つめた。
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