僕は彼女の名前をまだ知らない
「寛輝……?」

「お母さん……」


急に、胸に温かいものが湧き上がってきた。


お父さんと三人で、花見に行ったこと。

お母さんの焼いた、まるいパンケーキ。

お父さんが亡くなった日…お母さんが僕を抱きしめてくれたこと。


すごく鮮明に思い出せる。
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